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めざせ良い土!土づくり基礎:土壌の化学性編②<pHとECとCECと>

土づくり

こんちわ!

今回は土壌の化学性編②<pHとECとCECと>です。

わたしと小鳥と鈴と。みたいだね。

 

ね!

 

 

さて、

化学性編①では植物がどんな成分でできていて、そのなかでも肥料として補ってあげる必要のある5種類の成分の特徴について書きました。

今回は土壌自身が持つ特徴を、化学的に示す値を、良く土壌診断で出てくるモノだけ紹介します。

 

土壌自身の特徴を化学的?

ちょっと何言ってるかわからないよ。

 

植物が料理だとすると、前回の話は料理を作る材料の話で、

今回は料理を作る道具の話ってイメージかな。

 

この記事を読み終えるころには土壌診断の結果に出てくる主要な項目については理解できるようになっているはずです!

 

 

pH

pHは「ピーエイチ」とか「ペーハー」と読み、

土壌が酸性なのかアルカリ性なのかを示す値です。

pH7が中性を表し,7未満が酸性,7を超える場合がアルカリ性となります。

 

その昔、理科の授業でリトマス紙を使った実験をしませんでした?

アレはまさにpHを調べる実験だったんです!

なんとなく覚えてる気がする。

pHの性質

でもそのpHが野菜を作るのとどう関係あるの?

 

pHのもつ性質が、野菜作りと大きな関係があるんだ。

今回は特に重要な3つを頭の片隅に入れておこう。

①成分の溶けやすさが変わる

土壌のpHによって、窒素やリンやカリウムなどの成分の溶けやすさが変わります。

例えばpHが低く土壌が酸性になるとカルシウムやマグネシウムが土の中に溶け出しにくくなってしまいます。

成分が土壌液として溶け出さないと植物の根っこから吸収されないので、植物の体内で成分が不足してしまいます。

 

逆にpHが高くアルカリ性になると、今度は鉄分とか銅といった微量要素たちが溶けずに不足してしまいます。

 

下の図は主な成分がどのくらいpHの時に溶け出すか表したものです。

線の幅が広いところが良く溶ける部分です。

<資料引用:http://frontierfarm.co.jp/archives/198/>

 

pH4.0の場合は鉄分しか溶け出さないんだね。

 

そう。だからどんなに成分が豊富な土でも、

pHが適正じゃないと植物が吸収できないんだ!

 

 

②根っこの活動にも影響

pHは根っこにも影響を与えます。

根っこは養分を吸収するだけでなく、微生物のエサになる糖分を分泌したり、根を張って耕盤を破砕して水はけを良くしたりしています。

 

pHが適正でないと上記のような根っこの活動を止めてしまいます

植物によって耐えられるpHの値は異なりますが、多くの植物がpH5.5~pH6.5くらいの弱酸性を適切な活動範囲としています。

 

何かを育てるときには、真っ先に適正なpHを確認するくらい大切だよ!

③微生物の活動にも影響あり!

土の中に無数に潜んでいる微生物の活動もpHによって影響出てきます

微生物の活動は植物に良い影響を与えるものもあれば、病気などの悪い影響を与えるものもあります。

有名な例を挙げると、キャベツなどのアブラナ科の難病である「根こぶ病」です。

 

根こぶ病の原因である根こぶ菌という微生物はpH7.0以上になると活動しなくなるので、根こぶ病の対策が取れます。

 

pHは土の中でのあらゆる活動に影響があるんだね。

人間の体で言うと体温みたいなものだ!

 

pHの調整方法

pHの値がかなりの影響力を持っていることはわかったと思います。

そんなpHを調整するには石灰資材。つまりカルシウムを含んだ肥料で調整します。

カルシウム資材を土に入れるとpHが上がって、土壌がアルカリ性に傾きます。

 

なるほろ

 

逆に下げる場合には強い酸性を持つ資材(ピートモス等)を投入したり、

ソルゴーというめっちゃぐんぐん育つ植物を作付けするとpHが下がります。

 

 

経験的にはpHを下げるのは結構大変なので、

上げ過ぎないようにpHをチェックしておこう!!

pHの測定方法

pHをチェックしろって言われても、土壌診断は結果出るの遅いし

すぐに調べらんないよ。

 

という方は酸度計で調べられます。

土壌診断に出している時間がない時とか、そもそも何度も土診にだす暇も金ないよ!

って時に使えるので一つ持っておいてもいいと思います。

家庭菜園やガーデニングでも使えるのでね。

(もうちょい安いのもありますけどあんまり評判良くないようです。。。)

 

EC

さて二番目に覚えるのはEC(イーシー)。

土の中にどれくらい肥料成分(塩基)が含まれているかを示す値です。

窒素との関係性が強いので、主に窒素をどれくらい撒くか?という判断材料になります。

 

ECが低いと土壌中の肥料分が少ないということなので、栄養不足で生育不良になります。

逆にECが高すぎると濃度障害がおきて、発芽不良や根傷みによる生育不良になってしまいます。

人間の体に例えると血圧ってかんじだね

 

ECの適性値は?

 

 ECの適性値は作物の種類と、土の種類によって変わるよ。

ざっくりとした目安は以下の通り。

 

 

細かい部分は作物ごとに調べてみよう!

ECの調整方法

ECを上げるには肥料を撒けば上がります。

先にも書いた通り、窒素が足りているかの大まかな目安となるので窒素系の資材で補いましょう。

 

逆に下げたい時はまた大変です。

ちょっと高いくらいだったら施肥量を落とせば問題ないです。

が、適性値の倍以上もあるようなら以下の対策が必要です。

  1. 天地返しや深耕によって濃度を低下させる。
  2. 養分吸収の高い作物を育てて、養分を吸ってもらう

短期で解決するのは難しいですね。

 

pHと同じく、上げ過ぎないようにECの値も

要チェックや!!

 

ECの測定方法

はい。ECも測定する機械があります。

pHは土に刺すだけでしたが、ECは土を水に溶かして測定します。

 

ちなみにpHとECを両方計れる測定器もあります。が、、、

精度が不安なのと、値が張るのでちょっと購入は躊躇ってしまう。。

たくさん稼いだら購入して比較してみます!

CEC

さあ3つ目に覚えるのはCEC(シーイーシー)。

肥料を保持する能力(保肥力)のことです。

 

CECが低いと、土が肥料を保持できずにすぐに無くなってしまいます。

なので追肥などで補ってあげる必要があります。

 

逆にCECが高くても特に悪いことはありません。

まあ厳密には考慮することはあるんだけど、それはまた今度。

とりあえず今はCECは低いと良くないと覚えましょう。

人間の体で言うと胃袋の大きさだ!

 

CECの調整方法

CECを上げるには実はちょっとやそっとでは不可能です。

というのもCECは土に含まれる粘土鉱物の種類や量で決まるので、改善に時間がかかるんです。

改善するには、堆肥などの有機物、腐植酸質資材やゼオライト・ベントナイトといった土壌改良資材と呼ばれているものを施用する方法くらいしかありません。

 

CECは低くても直接生育に影響を与えるわけでは無いので

改善は長い目で見よう。

 

CECの測定方法

CECは基本的に土壌診断にかけて測定してもらうのが良いです。

測定器も一応売っているんですが・・・・

20万円くらいするのでゲロ高マザファカです。。。

 

CECは即座に対応ができるものでもないので、何年かに一度土壌診断でしっかり見てもらう感じでいいと思います。

まとめ

はい!今回は土壌の持つ3つの性質について書いてきました。

改めて今回のポイントは以下の通り!

  • pHは体温!ECは血圧!CECは胃袋の大きさ
  • pHとECは高すぎても低すぎても影響あり!すぐに確認を!
  • pHもECも作物ごとに適性値が違うので、調整する時は要注意!!!
  • CECは直ちに影響ないので長い目で改善して行こう!

 

まとめてみるとシンプルですね。

とりあえずこれだけ押さえておいて「pHってなんだっけ?」てなったら

また見返してみてください!!

次回は延期飽和度について書いて化学性編の締めにしたいと思います。

前回の知識も飛び出してくるのでおさらいしておいてください!

めざせ良い土!土づくり基礎:土壌の化学性編①<必須元素と肥料の5要素>
土づくり学習の難所は化学性だ! っということで今回は土壌の3要素(物理性・化学性・生物性)のうちの化学性について書いていきます。 げぇ・・・化学は苦手だなあ。 目に見えなくてイメージしづらいんだ...

んじゃ!

 

 


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