近年は夏になると毎年のように猛暑になります。そんな日が数日続けば土はカラカラ。
干ばつ状態になってしまい野菜の終了にも大きな影響が出てしまいます。
そんな時に役に立つのが潅水資材です。
今回は乾いた畑に潤いをもたらす潅水資材の代表的なスプリンクラー・レインガン・潅水チューブのの特徴と使い分け方を紹介します。
※今回紹介する資材は畑潅など水源が整っている場合に特に有効です。水源が無い場合にはタンクに水を貯めてポンプで吸い出すなどの対応が必要です。
スプリンクラー
<写真:ヤンマーアグリジャパン>
特徴
スプリンクラーは1枚の畑に何本も設置することができるので広い面積に潅水したいときに有効です。散水量も多くカラカラの畑でも十分に水をまくことができます。
一方で一度設置してしまうと移動をさせるのが大変なので、いろいろな畑で使用したいという場合には向いていません。
・広い畑でも一気に潅水できる。
・散水口が地上から離れているため背の高い作物でも使用可能。
・一度設置したら移動するのが大変。
・水の粒の大きさによっては地表の土が跳ねる。
・円形の散水になるので、円がしっかり重なるように設置する必要がある。
レインガン
<写真:㈱ケイヒン>
特徴
レインガンはスプリンクラーより飛距離があり、1本で広い範囲をカバーできます。
タイヤ付きの物も多く移動も簡単ですが、広い畑全体に散水するには、何度か移動する必要が出てきてしまいます。
・スプリンクラー1本よりも広い範囲に散水できる。
・いろんな圃場に移動できる。
・散水口が地上から離れているため背の高い作物でも使用可能。
・広い畑では何度も移動が必要。
・水の粒の大きさによっては地表の土が跳ねる。
・円形の散水になるので、円がしっかり重なるように設置する必要がある。
潅水チューブ
<写真:住化農業資材>
特徴
畑に穴の空いたホースを置いてシャワーのように散水する資材です。
長いホースを使えば広い範囲に一気に散水できますし、スプリンクラーよりは移動に手間がかかりません。
・圃場の移動が可能。
・比較的広い範囲をカバーできる。
・水の粒が細かく、土跳ねが少ない。
・円形の散水でないため散水範囲を見定め易い。
・散水口が地面に近く、背の高い作物には向かない。
・レインガンよりは移動が大変。
使い分け方
簡単に特徴を比較するとこんな感じ。
レインガン > 潅水チューブ > スプリンクラー
スプリンクラー > 潅水チューブ > レインガン
レインガン = スプリンクラー > 潅水チューブ
スプリンクラーを選ぶ場合
一度設置してしまえば広い畑を一気に散水できるのがスプリンクラーの強みです。
なので1作に何度も潅水が必要な作物を、広い面積で栽培する場合に有効です。
例えばセロリや白菜など、それなりに背も高く、1作に何度も潅水が必要な作物を広い面積で栽培する際に活躍するでしょう。
レインガンを選ぶ場合
機動力の高さとそれなりの散水範囲がレインガンの強みです。
1作のうちにスポットで何度か潅水したいという場合や、小さな圃場を何枚も潅水したいという場合に有効です。
また広い圃場でも移動すれば使えるし、散水口も高く品目を選ばないので汎用性が高いのも魅力です。
潅水チューブを選ぶ場合
散水範囲の広さと移動のし易さのバランスがよく、やわらかい水が撒けるのが潅水チューブの強みです。
背の低い作物を作物を栽培する際には有効になると思います。
また円形の散水でなく散水範囲が特定しやすいので、隣の畑との境界線がシビアな場合も有効になると思います。
我が家の場合
ちなみに我が家はレタス・キャベツ・セロリを栽培していますが場面によって3つを使い分けています。
セロリの畑にはスプリンクラーを常設し、レタス、キャベツでは定植後の水が必要な時期は潅水チューブを使っています。
レインガンは干ばつなどでレタス、キャベツにどうしても水を撒かなくてはいけないときに使用しています。
参考にしてみてください!
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