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めざせ良い土!土づくり基礎:土壌の化学性編①<必須元素と肥料の5要素>

土づくり

 

土づくり学習の難所は化学性だ!

っということで今回は土壌の3要素(物理性・化学性・生物性)のうちの化学性について書いていきます。

 

げぇ・・・化学は苦手だなあ。

目に見えなくてイメージしづらいんだよね。。。

 

すごくわかります。個人的にはこの化学性が一番覚えにくいです。

僕も大学は文系だったし、理科の中でも特に化学は「社会に出ても絶対使わないっしょ。」と思って、高校の化学の授業は睡眠か稲中卓球部の熟読に費やしていました。

 

化学と言ったら「水平リーベ僕の船」というフレーズしか頭に残ってなかったよ。

 

そんな僕でも土づくりに最低限必要な知識は覚えられ、今では土壌医検定2級(土づくりマスター)に合格し施肥設計の処方箋を書くことができるようになりました。エッヘン!

 

化学性は情報量が多いので3~4回に分けて書いて行こうと思います。

全部読めば、土壌診断の結果を見てどういうことか理解できるレベルになっているはずです!!!

 

一回目の今回はまず化学のことに慣れつつ基本的な部分だけ押さえていきましょう!

ちなみに稲中卓球部は面白いからぜひ読んだほうが良いよ!

 

植物の必須元素17種

そもそも植物はどんな成分でできているのでしょうか??

もちろん植物の種類によって多少は違ったりしますが、絶対に入っている17種類があります。

その17種類の選ばれし成分たちのことを必須元素とよんでいます。

 

 

17種類も覚えられねぇよ!

 

 

落ち着いて落ち着いて。

覚えとけばいいのは5個ぐらいなもんだから!

 

5種類まで絞る!

必須元素17種を紹介しました。

もちろん覚えられたら最高なんですけど、実際に17個も覚えるのは大変です。

 

でも農業で化学性を考えるときっていうのは主に肥料を考えるとき、つまり施肥設計の時です。

なのででで!実際の肥料としてメインで使うものの5種類まで絞ります!

 

まず微量要素はカット!

17種類の内、8種類(鉄、塩素、マンガン、亜鉛、銅、ホウ素、モリブデン、ニッケル)微量要素と言って必要なんだけど、ちょっと入ってればOKな成分です。

そしてほとんどの場合、既に土の中に入ってます。

追加で肥料として撒かなくても大丈夫なんですよ。

 

なので覚える必要なしっ!!

 

大気中から吸収できるやつもカット!!

次にカットするのは炭素(C)・酸素(O)、水素(H)。

実は植物の90%以上がこの3つの成分で作られています。

それなら覚えとかなきゃ。

と思いきや、この3つの成分は空気中の二酸化炭素(CO2)とか土の中の水(H2O)とかそういったもので勝手に吸収してくれるので、肥料として撒かなくてもオッケ!

 

なので覚える必要なしっ!!

 

最後に硫黄をカット!!!

最後に硫黄(S)ですが、これは大体の肥料の中に勝手に含まれてるので、特に考えなくても勝手に補給されていきます。

 

なので覚える必要なしっ!!

 

残ったのは5種類

さあいろいろカットして残った5種類は窒素・リン・カリウム・カルシウム・マグネシウムの5種類!

この5種類は勝手に補給されないので、肥料等で調整をしてあげる必要があります。

 

なのでこの5種類は暗記必須で!

あとは覚える必要なしっ!!

 

<!重要!>暗記必須の肥料5要素

暗記が必要な5種類の成分は肥料の5要素と呼ばれています。

それぞれの成分がどんな役割を持っているのかざっくり説明します。

窒素(N)

植物の中のアミノ酸やタンパク質、葉緑体を作り上げる成分で、5要素の中で一番重要!

窒素が足りないと下っ葉の方からどんどん黄色くなっていったり、そもそも作物が大きくなりません。

成分の中でも主役タイプと言えるでしょう。

ヒーローで言ったらレッドですね。

 

また窒素は水に溶けやすく、ほかの成分に比べて根っこからに吸収しやすいです。しかもあればあるだけどんどん吸収します。(贅沢吸収)

そうすると今度は逆に吸い過ぎて窒素が多すぎるというパターンになります。

 

窒素が多すぎると、大きさばっかりデカくなって軟弱に育ち病気になりやすくなったり、どんどんデカくなろうとして実や花をつけるタイミングが遅くなったりします。

リン(P)

リンは植物の中の主成分にもなるし補佐もできる万能タイプですね。

 

植物が根を張るときには根っこ部分に行って根張り作業の促進をするし、葉っぱを広げたいときには葉っぱの部分に行ってそこの手助けをします。

植物のなかで何か動きがあるとそこに出かけて行って手助けをします。

なのでリンが足りないと、植物が大きくならなかったり、実が小さかったり、根っこが張らなかったりとあらゆる活動のスケールが小さくなります。

 

さらに補佐だけではなく、自らが成分となって核酸(DNA)や細胞膜を作り上げたりもします。

ヒーローで言ったらブルーでしょうかね。

 

そんな大切なリンさんですが実は土の中に結構入っています。

 

ですが

土に非常に良くくっ付いて、水に溶け出しにくいという性質の持ち主なんです。

水に溶けださないと根っこから吸えないので植物が吸収できないですよね。

さらに、気温が低くなると吸収できなくなるという性質を持っています。

 

沢山あるように見えてなかなか手に入らない儚い存在なのです。。。。

そんなこんなもあってリンは不足しがちなので肥料で補ってあげる必要があります!

 

カリウム(K)

カリウムカリ(加里)と略してよばれることが多いです。

カリウム自身は細胞などの主成分にはならずに様々な働きを促進する役割を果たしています。

色々な場面で補佐をするんですが、カリウムの働きによって植物が丈夫になったり、抵抗力が高くなります。

 

守備力をあげる徹底的な補佐タイプですね。

ヒーローで言ったらガッチリと体格の良いイエローといったところ。

 

カリウムが不足すると守備力が下がるので植物が軟弱になったり葉っぱが黄色くなったりします。

ただカリウムは割と吸収しやすいのでちゃんと補えばそこまで不足にはなりません。

 

むしろ過剰になると、この後出てくるカルシウムマグネシウム拮抗作用が起きます。

要はカリウムばっかり吸って、カルシウムやマグネシウムが不足するという状況です。

なので肥料として補う場合にも適正な量を施用しましょう。

カルシウム(Ca)

カルシウム石灰と呼ばれています。

カルシウムは植物体内でできる過剰な老廃物(有機酸)を綺麗にしてくれます

カリウムと同じように細胞膜を丈夫にして病害虫に対する抵抗力をつける働きや、根の生育を促進する働きもあります。

 

更に!

植物内への影響だけでなく、土壌の酸度(Ph)の調整役も兼ねています。

Ph調整にはカルシウムが必須なんですが、詳しい話は別の機会に。

 

 

カルシウムは、カリウムやマグネシウムと拮抗作用を起こす関係にあるんですが、その中では一番吸収されにくいので比較的に不足しがちな成分です。

カルシウムは不足すると葉先の枯れ果実の尻腐れ等、様々な症状が出ます。

カルシウムは古い葉っぱに留まりたがるという特徴があり、不足すると新しい葉っぱや果実の先などの成長の最先端部分に症状が出るという特徴があります。

 

植物体内だけでなく土壌内でも活躍する、でも古い思い出は捨てきれない。

そんなカルシウムは、多彩さの裏に繊細さを持ち合わせるホワイトてことにしときましょう

マグネシウム(Mg)

マグネシウム苦土(くど)と呼ばれています。

植物の光合成に必要な葉緑素を作るメインの成分です。

他にはあちこち動き回るリンの吸収や移動を助けたりしています。

 

マグネシウムが不足すると葉緑体が作られなくなるので、葉っぱが葉脈に沿って黄ばんでいきます。

最終的には光合成ができなくなり、成長が進まなくなってしまいます。

 

比較的吸収されやすい成分ではありますが、拮抗関係にあるカリウムよりは吸収されにくいのでカリウム過剰の土だと不足してしまいます。

 

葉緑体を作るってこともあるし、ヒーローで言ったらグリーンですかね!

吸収しやすさと拮抗作用

改めて5つの成分の吸収のしやすさを見てみましょう。

 

5つの中では窒素が一番吸収されやすく、リンが一番吸収されにくい成分となっています。

 

また、カリウム・カルシウム・マグネシウムはお互いが拮抗作用の関係にあります。

カルシウムやマグネシウムが十分に入っている畑でも、カリウムの量が多いとカルシウムやマグネシウムが効きづらく、結果的に不足してしまうといったような関係です。

 

拮抗関係は他にもたくさんあるんですが、難しいのでとりあえず今回は

カルシウムマグネシウムカリウム

ウム3兄弟の拮抗関係だけ押さえときましょう。

まとめ

最後に改めて今回のポイント!

  • 植物の必須要素は17種類
  • 覚えるのは、窒素・リン・カリウム・カルシウム・マグネシウム肥料5要素
  • リン < カルシウム < マグネシウム < カリウム < 窒素 の順で吸収しやすい。
  • ウムがつく3つは拮抗関係。

とりあえずまずは基礎としてこれが抑えられていればよいと思います。

 

次回はpHやCEC、ECについて書きたいと思います。

 

土づくりの3要素や物理性ついても書いているので、よろしければこちらもご覧ください。

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ではでは!!

 


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