遂に登場自動運転トラクター!期待される使用方法は?
こんにちわ。
引っ越し後のネット工事がようやく終わり、久しぶりの更新です。
今回はトラクターの自動運転について。
自動車業界ではかなり話題になっていますが、いよいよトラクターも自動運転の時代がやってきそうです。
2018年は国内各メーカーの自動運転トラクターが出揃い、農業ロボット元年とも言われています。
しかし自動運転って実際どうやって使うの?安全性は?など現在どの程度まで使える代物なのか。
そして露地野菜農家として期待できる使用方法を考えてみました。
ロボットトラクターって?
ロボットトラクターというのはまあ読んだとおりトラクターの形をしたロボットです。はい。
農業機械の自動化はなぜ必要か?
そもそも何故農業機械の自動化が必要なのでしょうか。
まあこれは何となくわかるかもしれませんが、農業は今担い手不足による高齢化がめちゃくちゃ大きな課題となっています。
更に死亡率No1職業という不名誉な称号も欲しいままにしてしまっています。。。
まあこれも背景には高齢化があると思いますが、不注意が死に直結してしまう職業というのは事実です。これは高齢者のみならず、農機に慣れていなかったり、正しく取扱っていない全ての方に関わることです。
そういった課題の解決に自動(無人)で動くトラクター。ロボットトラクターに大きな期待が寄せられているということです。
農業機械の自動化レベル
さてそんな農機の自動化ですが、実は自動化は3つのレベルに分けられています。
【レベル1】使用者が搭乗した状態での自動化
・使用者は農機に搭乗
・直進走行部分などハンドル操作の一部を自動化
・自動化されていない部分の操作は、全て使用者が実施
【レベル2】圃場内や圃場周辺からの監視下での無人状態での自動走行
・農機は、ロボット技術によって、無人状態で自動走行(ハンドル操作、発進・停止、作業機制御を自動化)
・使用者は、自動走行する農機をほ場内やほ場周辺から常時監視し、危険の判断、非常時の操作を実施
・基本的に、接近検知による自動停止装置の装備等によってリスクを低減
【レベル3】遠隔監視下での無人状態での自動走行
・農機は、ロボット技術によって、無人状態で、常時全ての操作を実施
・基本的に農機が周囲を監視して、非常時の停止操作を実施(使用者はモニター等で遠隔監視)出典:農林水産省 農業機械の⾃動⾛⾏に関する安全性確保ガイドラインについて
2019年1月現在。国内大手各メーカーからレベル2のトラクターが販売されています。
つまり近くで人が監視していれば自動で動かせるトラクターが販売されているんです。
どんなメリットがあるの?
でも近くに人がいなきゃダメなんだ。
結局まだ作業自体は効率化しないんじゃん。
と思いきやそうでもない。
メーカー側からはレベル2の現段階でも、このような使い方が提案されています。
画像:ヤンマー株式会社HP
わかります?
これ前にいるトラクターが無人なんです!
このような使い方であれば、広い圃場はトラクター複数台で作業ができますし、無人化の方は施肥をして有人の方が耕耘といったように2つの工程が一気にできてしまうんです!
担い手不足の課題にしっかりとアプローチできていますね!
さらに、写真でもわかる通りロータリー痕がまっすぐなんです!
もちろん状況によって異なるとは思いますが、人間が作業するよりも正確な作業ができるってところにも期待が膨らみます。
昨年末にはニュース番組で特集も組まれていました。
夢がありますね!
現時点(レベル2)での課題
夢があるといったものの現時点での課題ももちろんあると思います。
大きく以下の4つかなと考えています。
基地局も必要
動画でも説明されていましたが、農作業は数センチの誤差でもその後の作業や、作物の生育に影響を与えてしまいます。
そのため自動運転にもかなりの精度が求められますが、GPSからの信号だけでは位置情報のブレが出てしまいます。そのブレを補正するための基地局(アンテナみたいなもの)を圃場の周りに設置する必要があります。
大きさを見るとそれなりに大きいため、場所を食ってしまう可能性があります。
価格や耐久性は不明ですが、現時点ではこの基地局も必要です。
今後の小型化や低価格化に期待したいですね。
使用圃場が限られる
農水省が出している安全確保ガイドラインによると、レベル2のトラクターは第三者の侵入リスクが極めて低い圃場のみで使用が許可されています。
なので民家などが近くに合ったりすると自動運転はできないという状況です。
このあたりの規制は使用実績が溜まれば緩和される可能性もあるので、こちらも今後の動向に期待です。
ある程度の面積がないとメリットが出にくい
現在ロボットトラクターの自動運転は圃場内でのみ許可されています。
圃場まで移動させるのは自分で運転しなきゃいけないってことですよね。なので、ある程度面積がないとトラクターを移動させる時間の方が手間になってしまい、2台で作業するメリットが薄れてきてしまいません。
この課題は法整備も関わってくるので、直ぐには解決が難しいんじゃないかと思います。。。
高い
まあこれはしょうがないと言えばそれまでなんですが、、、約1500万です。ギャピー!
今後期待している事・今後の課題
まあ課題と思われる点もごちゃごちゃ書きましたけど、僕はこのロボットトラクターに大きな期待を寄せています。カッコいいし!!
そこでITを齧ったことのある僕なりに考える、実現できそうな作業を考えてみました。
防除作業
圃場内の同じ道を何度も通る防除作業は、ロボットトラクターに向いている作業だと思います。
防除は一定のスピードしか出せないので習熟度による時間短縮が難しく、これが自動で可能となるとかなり労力が減ります!
さらに風が少ない夜間にライトを点灯しながら防除を行うことも少なくないです。夜間の作業は視界が悪く危険ですし、そもそも噴霧器の先の方が見えなくて防除出来てんのかよくわかりませんw
防除が完全に自動化されたらどんなに素晴らしいことか!計り知れませんよ!
夜間作業
先ほどの防除の所でも触れましたが、ロボットトラクターが夜間に自動で作業をしてくれるならこれほど効率的なことはありません。
時間を有効に使うだけでなく、夜間にトラクターが徘徊することで鳥獣対策にもなるのではないかと思います。
むしろパトロールだけでも効果がありそうですね!
さいごに
現時点ではまだレベル2までの商品化しかされていないロボットトラクターですが、各トラクターメーカーは2020年にはレベル3を商品化する!というマイルストーンで開発に取り組んでいるようです。
でも本当に多くの人が便利に使用するためにはトラクターのメーカーだけでなく、アタッチメントを製造するメーカーや、法の整備も必要不可欠だと思います。
更には使用する側も正しい知識を持って、技術を理解したうえで使用することが重要だと思います。
まあいずれにせよ今後の情報を楽しみに待ちたいと思います!
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