安価で簡単にハウス内の地温を確保できると評判の温床線(農電ケーブル)ですが、いざ設置しよてみたところ、設置手順が分かり難かったりと結構大変でした。。。
特に、この手の作業を始めて実施する方は
本当にこれで安全?
しっかりと加温できてる??
と不安にもなるでしょう。
そこで設置方法をなるべくわかりやすく、専門用語などを使わずにまとめました!
長くなってしまったので<①事前準備編><②作業手順編>の2つに分けました。
今回は<①事前準備編>です。5分程度で読み終えられると思います。
作業手順が知りたい方は<②作業手順編>をどうぞ。
それではいってみよー!
事前準備
まずは事前準備。
作業を安全かつスムーズに実施できるように以下の6点を確認しましょう。
- 完成形をイメージする
- 設置する場所の面積を確認
- ケーブルの設置間隔の確認(面倒くさいので注意!)
- 漏電ブレーカーの確認
- 使用するコンセントの電圧確認
- 必要なものが揃っているか確認
ケーブルの設置間隔の確認は、計算とかもあって面倒くさいから覚悟しよう!
完成形をイメージする
まずはイマジンオールザピーポー。完成形をイメージします。
今回僕はハウスの真ん中に通路。両側に温床を作ろうと思っていたのでこんな感じのイメージで作りました。
通路の両側を1組のケーブルでやっちゃおうと思っていたんですが、それはダメらしい。
通路をまたぐときにケーブルを痛めてしまったり、貫板をまたぐときにケーブルを痛めてしまう可能性があるからだそうです。
安全に使うために、1区画で1組のケーブルを使うようにしよう。
また複数組のケーブルを使う場合、農電サーモを2組使うパターンと、1つで強引にやるパターンがあります。
今回は農電ケーブル2組で農電サーモ1つの強引パターンでやりました。
農電サーモ2組使うパターンの方が簡単だけどね。
1台が高いからケチったよ!
設置する場所の面積を確認
つぎにケーブルを設置する場所の面積を計ります。
何㎡かわかったら坪数に変換してみましょう。
一坪=3.3㎡なので、大体3で割った数字が坪数になります。
ケーブルの設置間隔の確認
次にケーブルの設置間隔を確認しましょう。
設置間隔を決めるにはどの長さのケーブルを使うかが重要になります。
31mで1~1.5坪くらいが目安となるので、面積にあったケーブルを準備しましょう。
準備するケーブルの長さが決まったらケーブルの設置間隔を決めます。
ここからが本番・・・
気合で頑張って!
まずは配線の条数を決めます。
ケーブルを何回行ったり来たりさせるか決めるってことですね。
条数を決めるには以下の式に当てはめます。
( ケーブルの長さ(m)-温床の幅(m))÷ 温床の長さ(m)
例えば温床の幅1.2m、長さ7.2mで62mの農電ケーブルを使う場合はこんな感じ。
これくらいなら何とか計算できそうかも・・・
条数が分かったらようやく設置間隔を決めます。
設置間隔は以下の式に当てはめます。
温床の幅 ÷(条数 + 1)
さっきの例に当てはめるとこんな感じ。
この間隔で配線すればいいんだね!
ところがどすこい。
今求めた数字は平均の間隔。
実際は外側は短く、真ん中は広く配線するから調整が必要なんだ。
そう。
温床の外側は熱が逃げやすいのでケーブルの間隔を短くしてあげる必要があります。なので平均間隔を参考にそれぞれのケーブルの間隔を調整します。
先ほどの平均間隔13cmの場合はこんな感じ
厳密にきっちりやらなくても、外側から狭い→広い→狭いってのがいい感じにできていればOK!
こんな感じの配線イメージを紙に書いて作っておこう!
最終的に以下の式に当てはめてケーブルが足りるかどうか確認してみましょう。
ケーブルの長さ - 条数 × 温床の長さ + ケーブル間隔の総数
= 余りケーブル
余りケーブルが1m~2mくらいに収められると後々の処理が簡単です。
ちなみに!!
条数が奇数の場合は最後の1回は半分で折り返す必要があります。
ケーブルが帰ってこないと農電サーモと接続ができないのでね。(行きっぱなしでもいいケーブルもあるけどちょっと値段が高いよ)
こんなイメージ
余りケーブルも同じ要領で処理するんだけど、まあ細かいことはまた後で説明します。
とにかくこれで事前準備の2つ目はおしまいです。お疲れっしたぁ!
漏電ブレーカーの確認
次に漏電ブレーカーの確認です。
コンセントがあれば必ずブレーカーにつながっているはずなので、ブレーカーを見てみましょう。
黄色枠の装置が漏電ブレーカーです。こんな感じで漏電ブレーカーがあればOK。
基本的についているものなのでおそらく大丈夫だと思いますが、もしついていないと火事の原因になるのでしっかりとチェックしておきましょう。
使用するコンセントの電圧確認
最後に改めてコンセントの電圧と農電ケーブル、農電サーモの電圧が合っているか確認しましょう。
これも電圧があっていないと火事や事故の原因になってしまうからです。
必要なものが揃っているか確認
必要なものはざっと以下の8項目です。
- 農具、工具類
- 農電ケーブル
- 農電サーモ
- 断熱材
- マルチ
- 杭
- 貫板
- 散水道具
詳細は次の章で説明します。
まあひとまずおつかれっしたあ!
用意するもの
それでは必要な道具を見ていきましょう。
農具・工具で使うモノ
- スコップ(必須)
- じょれん(便利)
- ドライバー(必須)
- カッター等(必須)
- ワイヤーストリッパー(便利)
じょれんは掘った穴を平らにするときにあると便利です。
ワイヤーストリッパーはケーブルの延長や、2組のケーブルを接続する時にあると便利です。
農電ケーブル
温床線はいくつかのメーカーからでていますが、今回は日本ノーデンの物を使っていきます。
単相100V、単相200V、三相200Vの三種類があります。
普通の家庭用コンセントを使う場合は単相100Vになります。
長さも31m、40m、62m、120mの4種類があるので設置場所の広さに合わせて選びましょう。
大体ケーブル31mで1~1.5坪くらいが目安です。
農電サーモ
農電サーモは設定温度になると自動で通電を止めてくれる機器です。
無くても加温はできますが、温度管理が大変になるので使った方がいいです。
こちらも100V用と200V用があるので農電ケーブルの電圧と合ったものを選びます。
ちょっと高いけど表示がデジタルで見やすく、現在の温度も見れるタイプもあります。
断熱材
断熱材は温度が下に逃げてしまわないように遮断する役をします。
もみ殻なら12cm、発砲スチロールなら3cm、エアキャップ(包装用のぷちぷち)なら2~3枚が必要となります。
稲わらを使いたくなるところですが、ネズミなどに食われちゃう場合があるのでやめましょう。
もみ殻ならタダで手に入るけど、穴掘るのが大変なのでエアキャップか発泡スチロールをお勧めします。そんなに高くもないしね。
マルチ
土の保湿や保温、防草の為に使います。
熱を溜めやすい黒マルチが理想かなー。
マルチ止めのピンもあると便利です。無ければ動かないように土でも被せとけばいいです。
杭
ケーブルを張るために必要なです。最終的に抜くので太過ぎなければどんな棒でもいいです。
先に紹介したマルチを用のピンでも代用できると思います。
貫板
地温が横に逃げて行かないように囲うための板です。
3mm~1cmくらいの厚みがあれば大丈夫です。木の板でなくても断熱材で使う発泡スチロールでも事足りると思います。
散水道具
設置した後に熱効率が良くなるように散水するための道具です。
ジョウロでも十分ですが、散水用のホースなどがあればさらに便利です。
以上が必要な道具です。
準備できたでしょうか?これで事前準備編は終了です。お疲れ様でした!
次はいよいよ作業開始です。張り切っていきましょー!
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