必殺!天地返し!!!
てなわけでボトムプラウで天地返しをやってみました。
しかしこのボトムプラウでの天地返し。
良い!と言う人と
良くない!って言う人がいるんです。
今回は何が良くて何が悪いのか。
メリット・デメリットを整理して、僕が何を狙って使ったか。またどんな時に使うべきか?僕なりにまとめてみました。
プラウでの天地返し!
天地返し・・・
なんかかっこいい!
表面の方にある土と、土中の下の方にある土をひっくり返す作業を天地返しっていうんだ。
プラウの種類
天地返しに使用する機械はプラウです。
プラウにもいくつか種類があるので簡単にご紹介。
①ボトムプラウ
<画像引用:https://www.yanmar.com/jp/agri/agri_plus/soil/knowhow/01.html>
一番オーソドックスなプラウです。一般的にプラウと言ったらこのタイプのものを指します。
爪の上に大きな返しがついていますね。
これをトラクターにつけて引っ張ると、爪で引っ掻いた土を返しが上まで持っていくので天地返しが行われます。
画像のプラウは「リバーシブルプラウ」といって、上の爪と下の爪がくるっと逆さまにできるので、往復で作業ができるものです。
大体深さは30cm~40cmくらい。
引っ張るだけなので、馬力の高いトラクターが必要です。
<画像引用:https://www.jeinou.com/benri/machine/soil/2011/05/091000.html>
②ディスクプラウ
<画像引用:https://www.yanmar.com/jp/agri/agri_plus/soil/knowhow/01.html>
こちらは返しが大きな円盤になってます。この円盤が回って天地返しが行われます。
円盤の回転はPTOで動くのでボトムプラウよりは小さいトラクターでも大丈夫です。
ただ深さや反転具合はボトムプラウよりも弱めだそうです。
天地返しのメリット
①表面の有機物を鋤き込む!
天地返しで土を反転させることで、表面にある残渣や緑肥などの有機物は下層へすき込まれ、分解が促進されます。
②乾土効果で地力窒素GET!
下層にあった土は上層に上がり、空気にさらされて乾いていきます。
乾いた土には下層で湿っていた時とは違う、空気が好きなタイプの微生物(好気菌)が活性化します。
んで有機物の分解が促進されて、植物の大事な栄養である窒素が作られます。
これすなわち乾土効果です。(へぇ~)
③嫌なものを土中に封印!
病気がちな畑や雑草がひどい畑にも天地返しは効果的。
病原菌や雑草の種を下層に埋め込むことで、畑がリフレッシュされます!
④破砕効果で排水性アップ!
ロータリー等よりも深く耕すことができるので、耕盤破砕の効果があります。
破砕効果で排水性の向上にも期待できます!
天地返しのデメリット
①土壌劣化のおそれ
不用意な天地返しは土壌を劣化させてしまう恐れがあります。
上層にあった土を下層に封印してしまうわけなので、それまでせっせと肥料を撒いて調整してきた土壌の化学性は無に還ります。
更に堆肥等の有機物でふかふかになっていた土も、下層の湿ったカチカチの土と入れ替わってしまうので注意が必要です。
②土壌の隙間が減る
トラクターや機械によって土壌の隙間が減る=土が硬くなる。というのは良くある話。
「土が硬くなったらプラウで天地返しするといいよ!」という人もいますがちょっと待って。
確かに下層のフレッシュな土を上層に上げて、新たに土づくりをすれば一旦は問題は解決するでしょう。
しかし、何度も機械作業をやっているうちにまた上層が硬くなった時、また天地返しをするとどうでしょう。
上層に上がってくるのは以前踏み固めて、隙間のないカチカチの土です。
このような土の隙間の減少を懸念してプラウは良くない!!!という方もいるようです。
個人的にはやりすぎ注意ってレベルかなと考えていますが。
③毛管現象をブロック!
毛管現象?
水が狭いところに向かっていく性質だよ。
毛管現象によって、土中の水分はどんどん上層に上がっていくんだ。
天地返しによって、表面にあった残渣や草などが下層に封印されます。
下層では微生物の力を使って分解しようとするのですが、その時必要な水分を上からも下からも吸ってしまい、毛管現象で水分が上がってくるのをブロックしてしまうという説もあるようです。
結局どんな時にプラウを使うべき?
諸説入り乱れて良いのか悪いのかよくわからない天地返しですが、結局どうなのかというと。。。。
ズバリ!
ケースバイケースでしょう!
おい!ズバッてないじゃん!
いやだってこれ一概には言えないでしょ!時と場合によりますわ!
まあそんなことを言っていても始まらないので、僕が思う天地返しをした方が良い場合を3つほど書くので、参考にしてみてください。
ただし!!これは畑作に限った話をしてます。稲作などはまた条件が違うと思うので、参考にする場合も臨機応変に!!
①雑草が多すぎてどうしようもない場合
雑草が多すぎて毎年草取りに追われて、もうどうしようもない畑は一回天地返しでリセットするのはアリだと思います。
一度草にしてしまうと種が落ちて何年も草取りに苦しめられて、もう農業が辛くて辛くてたまりませんよね。
そんな時はリスクを承知で思い切って天地返し!
背に腹は代えられない!!!
②耕作放棄地を利用する場合
耕作放棄地を利用する場合にも天地返しをする絶好のチャンス!
耕作放棄地ってのは大体土がカチカチで、栄養もなく痩せてしまっている場合がほとんど。
そして漏れなく草だらけなので、色々考える前にまずはひっくり返してからスタートってのは結構有効なんじゃないかと思います。
③色々試しても良いモノができない場合
肥料や防除をしっかりやっているはずなのになぜか良いモノができない。。。。
その原因は微生物にあるかもしれませんし、もうわかりません!!
潔くひっくり返して一から土づくりをやり直すのもアリじゃないでしょうか?(たぶんね)
といった感じ。
3つ目は投げやり感ありますが、1つ目と2つ目は割と参考になると思いますよ。
あくまで参考にね!!!デメリットもあるからちゃんと状況を見て判断しましょう!
僕の場合
今回僕が天地返しを実施したのは耕作放棄地を利用するからです。
といっても3年くらいしか放置されていなかったんですが、草がすごすぎて片付けるのめんどくさかったんでひっくり返しました!!!
これから堆肥やら肥料やらを入れて土を作っていきます。。。
本当は秋の内にやっておくのがベストだったんですが、借りると決まったのが最近だったので急いでやりました。
まあ新規の畑なので今年は様子見って位置づけだからね!オッケーしょ!!
まとめ
ってな具合で改めてメリットとデメリットを整理!
メリット
- 表面の有機物を鋤き込む!
- 乾土効果で地力窒素GET!
- 嫌なものを土中に封印!
- 破砕効果で排水性アップ!
デメリット
- 土壌劣化のおそれ
- 土壌の隙間が減る
- 毛管現象をブロック!
どうでしょう?ちっとは参考になりそうでしょうか?
プラウでの天地返しはメリットとデメリットが表裏一体だと思うので、自身の状況とのバランスを見ながら上手に使っていきましょう!
んじゃ!
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