世の中にはGAPが乱立しているッッ!!
いざGAPの認証を受けようと思った時にそう感じる人は多いのではないでしょうか。
政府だけでなく自治体、JAがGAPの認証を推進していますが、
いざGAPをやろう!と思ってもGAPの種類が複数あって
どのGAPに取り組めばいいのかよくわかんない!!という壁にぶつかってしまいます。
そこで今回はGAPの種類とそれぞれの特徴。
取得にかかる費用から、どんな人がどのGAPの認証を受けるべきなのか??
という点についてまとめてみました!
ちなみにGAPについての基本的な内容は別の記事にまとめてありますので、GAPって何?という方はそちらもご覧ください。
GAPの種類と特徴
現在日本で取り組まれているGAPは大きく分けて以下の6種類があります。
- GLOBAL G.A.P
- ASIA GAP
- JGAP
- 都道府県GAP
- JAグループGAP
- その他民間企業のGAP(生協GAP,マクドナルドGAP等)
なんでこんなに種類があんの?
実は取り組む項目の数や目的が微妙に違うんだYO。
それぞれの特徴をCheckしてみYO!
GLOBAL G.A.P
- 運営者:Food PLUS Gmbh(ドイツの団体)
- 対応項目数:だいたい220項目ぐらい
- 認証方法:第三者認証(審査員が来て認証)
- 認証費用:25~55万円程度+旅費
グローバルGAPは日本で取り組まれている中で一番対応項目数が多いGAPです。
GAPで定義されている食品安全・環境保全・労働安全に加えて、人権保護・経営管理・商品回収のテストなどの観点からも基準を定めています。
GFSIという国際的な企業団体の承認を受けていて、国際水準のGAPでとなっています。
全世界で取り組まれているGAPですが、市場としてはヨーロッパを中心に普及しています。
当然東京オリンピック・パラリンピックの基準もクリアしています。
認証費用が高額なのと、対応項目が多いので認証する時の敷居は一番高いでしょう。
ASIA GAP
- 運営者:日本GAP協会
- 対応項目数:だいたい160項目ぐらい
- 認証方法:第三者認証(審査員が来て認証)
- 認証費用:10万円程度+旅費
ASIA GAPは日本発のGAPの中では最高位のGAPです。
いままではGLOBAL GAPだけが国際水準でしたが、2018年10月にGFSIの承認を受けてASIA GAPも国際水準の仲間入りを果たしました。
項目数はGLOBAL GAPより少ないですが、こちらも通常のGAPより多くの観点から基準が作られています。
海外マーケットではまだあまり浸透していませんが、その名の通り台湾・香港・東南アジアを中心に普及を広めていくようです。
JGAP
- 運営者:日本GAP協会
- 対応項目数:だいたい120項目ぐらい
- 認証方法:第三者認証(審査員が来て認証)
- 認証費用:5万~10万程度
JGAPは国内基準のGAPです。
国内で第三者認証を行っているのは GLOBAL GAP と ASIA GAP と JGAP の3つだけなので認証をとる中では一番ハードルが低いGAPです。
主に国内のマーケットで取引を考えているのであればJGAPの認証だけでも十分でしょう。
東京オリンピック、パラリンピックの調達基準もクリアしています。
都道府県GAP
- 運営者:各都道府県
- 対応項目数:様々(だいたい80~100項目くらい)
- 認証方法:特になし
- 認証費用:-
都道府県GAPは各都道府県ごとに制定しているGAPです。
都道府県によって項目数や基準はバラバラですが、大体が農水省が発行しているガイドラインに沿っているのでまあ80項目~100項目くらいだと思います。
都道府県GAPは誰かに認証してもらうのでなく、その基準に沿ってGAPに取り組むだけなので特に認証費用とかは掛かりません。
逆に言うとやっていても証拠がないから客観的な評価基準にはならないってことです。
そのため、東京オリンピック、パラリンピック(以下オリパラ)の調達基準を満たさないんです。
ただし!!!
取り組んでいる人の中で、都道府県に承認を受けた人はオリパラの調達基準を満たした扱いになります。
JGAP以上だけがオリパラ基準ってわけじゃないんですね。
なのでオリンピックに生産物を出したい!
けどJGAPの認証には費用や時間が足りない!!!
という方は都道府県GAPの取り組みの中で認可をもらう。というやり方もあるので検討されてはいかがでしょうか。
JAグループGAP
- 運営者:JA、経済連
- 対応項目数:様々(だいたい80~100項目くらい)
- 認証方法:一定の要件を満たすJAに対し、全農が認証
- 認証費用:なし
各JAが独自に定めて取り組むGAPです。
こちらも都道府県GAPと同じように各JA毎で基準を定めています。
こちらについては一定の要件を満たすと全農からお墨付きがもらえるというシステム見たいですが、その全農のお墨付きがどれほどの効力があるかは不明です。
ただJA職員が取り組みのアドバイスをしてくれるので、ほかのGAPに比べて入りやすく、農家さんの間での普及率は高いです。
その他GAP
その他にも生協が独自で定めているGAPや、マクドナルド独自のGAPがあります。
既にあるGAPの基準では包括できない、企業としてのこだわりポイントを網羅するために自分たちで作ったGAPってイメージですかね。
これらはそのGAPをやらないと、生協やマクドナルドと取引ができないという感じです。
相関図・対応表
色々紹介してきた内容の相関図と表です。
<GAP毎の取り組みと対応表>
<資料:農林水産省>
各GAPの特徴と位置づけがなんとなくわかっていただけたでしょうか?
どのGAPに取り組むべき?
種類はわかったけど実際自分がどれをやればいいかわかんないよ。
という方もいるでしょう。
でもそればっかりは自身の状況や目指す方向性によって変わるので何とも言えません。
それでも!一応の目安というのであれば以下の通りでいいんじゃないかなと思います。
参考にしてみてください!
ヨーロッパはアメリカなどアジア以外への輸出を目指している人 | GLOBAL G.A.P |
アジア圏への輸出や取引を目指している人 | ASIA GAP |
東京オリンピックの選手に自分の製品を食べてもらいたい人 | JGAP、都道府県GAP+認証 |
国内への契約販売メインの人 | JGAP、都道府県GAP |
農協組合員でGAPに取り組みたい人 | JAグループGAP |
とりあえずGAPをやってみたい人 | 都道府県GAP |
ちなみに僕は農協組合員の家族経営ですが、とりあえず数年の間はJAグループGAPに取り組もうと考思っています。
その後契約販売とかができるようになってきたらJGAPの認証をうけようかな~と計画中。
ASIA GAPやGLOBAL G.A.Pは特に取得する予定は今のところないです。
おわりに
いかがだったでしょうか?
GAPの種類や特徴がなんとなく整理できたのならうれしいです。
現在はGAP自体に付加価値があるというわけでは無いので、農家への普及も一息ですが
食への安全や環境への関心が高まっているという流れの中で、必ずGAPが重要になるときが来るはずです。
その時に慌てて対応するのでなく、今の内から少しずつ取り組んでいった方が良いと思います!
以上!
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